2013年7月5日金曜日

鉄工所まんが 3作品目→「まちこう!」

(key words) 鉄工所、ナッちゃん、とろける鉄工所、日常系4コマ

以前のエントリで取り上げた
たなかじゅん「ナッちゃん」(AA)


は鉄工所漫画の先駆けであり、
その鉄工所に持ち込まれる課題、発生した問題をどう解決するかという
ある種の推理漫画のような面白さがあった。
結果(イイ意味で)現物合わせが中心の問題解決が多く、
量産設計者には直接参考になるものは少なかったが、
それでも、機械設計者、技術者として
ナッちゃんと一緒に悩んだりするのは
面白かったし、そういう解決方法もあるのか!なんていう
目からウロコな事案もあった。
2,3年目あたりで読むと良いだろうね。

これも以前のエントリで取り上げたか、
最近完結した、鉄工所漫画2作品目

野村宗弘「とろける鉄工所 」(AA)は、
溶接工あるある、鉄工所あるあるを
知ることが出来る貴重な資料だと思う。

正直なところ5巻 以降まだ読んでいないのだが、
溶接工、鉄工所の苦労を垣間見ることが出来、
製作をお願いする方の者として、
少しでも作りやすい形状、読みやすい図面、
危険の無いものづくりをして頂けるような構造
を検討していきたいと改めて思ったりした。
(が、当時は機械加工や精密板金加工が主で
なかなか鉄工所に持ち込む案件は無かったのだが)

そして、鉄工所まんが3作品目
浦地コナツ「まちこう!  」(AA)である。


!が付いているあたりは、けいおん!の流れを組んでいるっぽいし、
可愛い絵柄から、「舞台が鉄工所ってだけなのではないか?」と
内容はあまり期待していなかったのだが、

読み進めるにつれ、知識は付け焼刃的な感じがせず、
むしろ、現場の知識がそのまま流れ込んでいる感じがした。

「とろける鉄工所」も現場感があったのだが、
それ以上にある。
恐らく「とろける鉄工所」は
あんまりにも機械設計便覧的に専門用語を散りばめ過ぎては
読者が付いてこないだろうということで、控えめだったのかもしれないが、
 (繰り返すが5巻以降読んでおらず断言するのもどうかと思うけども(^^;)

「まちこう!」は そんな遠慮などは感じず、
専門知識や溶接ノウハウをフンダンにストーリーに取り入れている。

チラ見すると、以下のような感じ。

結構、前の方でオーステナイトうんぬんが出てきた辺りで、ワクワクしはじめた。
とろ鉄でもあったスパッタ取りは、やはり入門仕事。


「日常4コマ作家でこんなに鉄工所に詳しい女性マンガ家がいるのか?」
「元鉄工所勤務か、実家が鉄工所か?」そんな風に考えた。

「ナッちゃん」の作者、たなかじゅん氏の 実家が鉄工所。
「とろける鉄工所」の作者、野村宗弘氏は元鉄工所勤務。

それならば、納得の内容なんだがなぁと巻末を見たら、
浦地コナツ氏の旦那さんが現役鉄工所勤務!

結構、ネタ出しされているようで「通りで!」と。

現在、製缶物で四苦八苦してる状況なので、
制作現場を見るのが一番勉強になるのだが、
見に行きたいと思いつつも見に行けない状況が続いている。

そんな中、
「あーこうやって作ってるのかもな」という点が
いくつかあり、参考になった。<治具のあたり。

この2本の四コマが個人的に参考になった。








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「まちこう!」は「ナッちゃん」「とろ鉄」と並んで
若手の機械設計者(製缶ものの場合は特に)に
オススメしたい作品です。